深みのあるチェロの音色と寄り添うようなピアノのコンサートでした。

イオンモール多摩平の森「大人の寄り道コンサート」。1月14日はチェロの荒木匠登さん、ピアノの脇坂今日子さんによるデュオコンサートでした。
しっとりと流れるフォーレのシシリエンヌやジャズとクラシックを融合したようなカプースチンのチェロ・ソナタなどが、深みのあるチェロと寄り添うようなピアノの音色で奏でられました。本番では多くの方が演奏者を囲むように熱心に聞き入っていました。

2018年5月から、コロナの影響による休止期間を除いて、毎週金曜日に行われているこのコンサート、最初のうちはフードコートのバックミュージックのような存在に思われることもありましたが、現在は定期コンサートとして地域の皆様に音楽による楽しみの場を提供できているのではと思っています。

特にコロナの休止期間を経た後は、毎週いらして、熱心に聞いて下さるお客様が顕著に増えました。リハーサルから席を取って聞いて下さる方も多いです。後方から見ていると、沢山のお客様が微動だにせずに聞いて下さる姿に心を打たれることがあります。演奏者も編成も毎週代わり、プログラムも事前に告知されるのは数曲のみ。恐らく多くのお客様にとっては、初めて知る演奏者が多いと思いますが、より美しい音楽を提供しようと渾身の音色を奏でる若い演奏者とその音を温かく真剣に受け止めるお客様との間の見えないコミュニケーションが見えるような気がして、ショッピングモールの一角ですごいことが起きているのではないかという気さえします。今後も日常の空間の中で、音楽を介した特別な時間を提供できたら嬉しいです。